テイスティング講座~スパイス編
「ビビッと来る!? 香辛料の神秘」
日時:2月21日(木)
19時半~21時
講師:スパイス&ハーブマスター 新田慈氏 (ヱスビー食品株式会社)
場所:日本フードアナリスト協会セミナールーム(千代田区麹町)
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風も無く、ぽかぽかとした早春の2月21日(木)、午後と夜の2回に亘って、
日本フードアナリスト協会セミナールーム(千代田区麹町)で、スパイス&
ハーブマスターの新田滋氏を講師に迎えて、スパイス講座が開催されました。
まず、スパイスの定義や特徴、分類、分布を学びました。
○ 特徴: 香りがある。植物の一部。役に立つ。
○ 働き: 香りをつける。色をつける。辛味をつける。
そして歴史。
○ 1772年、東インド会社のヘイスティングスが、イギリスに、初めてカレーを紹介。
○ 記録上は、幕末1863年会津藩白虎隊の一員、山川健次郎が渡米した際に、
初めて日本人がカレーを食べた。
○ 「青年よ大志を抱け」で有名なクラーク博士が札幌農学校で、初めて、ライスカレー
という言葉を使った。
S&Bホームページのカレー事典には、アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」や、
福沢諭吉の「華英通話」も紹介されています。
http://www.sbcurry.com/dic/history/index.html
スパイスの歴史を伺ってから、実習。
ご用意いただいた20種類の粉末スパイスを元に、フードアナリストが5~6名ずつ
テーブルを囲みそれぞれの香りを嗅いで、元の形の実物と組み合わせるゲームをしました。
○ ブラックペッパー
○ チリペッパー
○ クローブ
○ オールスパイス
○ シナモン
○ ナツメッグ
○ スターアニス
○ フェンネルシード
○ コリアンダー
○ クミン
○ ホワイトペッパー
○ ジンジャー
○ ホースラディッシュ
○ ターメリック
○ サフラン
○ バニラビーンズ
○ カルダモン
○ タイム
○ セージ
○ ローレル
○ 香りをつける
クローブ、オールスパイス、シナモン、フェンネル、
スターアニス、クミン、コリアンダー、タイム、セージ
○ 辛味をつける
唐辛子、こしょう、ジンジャー、山葵、ホースラディッシュ、
マスタード(和)、マスタード(白)、山椒
○ 色をつける
ターメリック、パプリカ、サフラン、梔子(くちなし)
中には良く似た形の実がありましたが、各グループともほとんど全問正解でした。
○ 部位による分類
・葉 タイム、ローレル、セージ、バジル、オレガノ
・種 クミン、コリアンダー、ナツメッグ、カルダモン
・実 胡椒、八角、山椒、オールスパイス
・根 山葵、ターメリック、オニオン、ジンジャー
・皮 シナモン
・花 サフラン、クローブ
○ 生と乾燥後の香り比べ
・コリアンダー(= パクチー、香菜:シャンツァイ)は、
部位(葉、根、種)いずれもハーブ、スパイスとして使われている。
○ 乾燥方法
天日乾燥
熱風乾燥(エアーズドライ) : 色はくすんでいるが香りは強い
真空冷凍乾燥(フリーズドライ) : フレッシュに近い色、香り、味
○ セリ科スパイスの比較
クミン、フェンネル、ディル、アニス、キャラウェイ
セリ科は見た目は形が良く似ていますが、砕くと独特の香りを放つことが実感できました。
プラントの写真と香りの特徴の解説をいただき、原型と名前が一致できました。
○ スパイスの有無で唾液量が変わる。
○ スパイスの有無で消臭ができる。
○ スパイスの色味で料理がおいしそうに見える。
○ スパイスの香りで減塩効果。
○ スープの試飲
塩分を控えたい時に、スパイスが役に立つという実験です。
塩分濃度を一般的なレシピの半分に抑えた暖かなコンソメスープに、
好みのスパイスを加えて試飲をしました。
ローストオニオン、ブラックペッパー、ローストオーガニック、
グリーンペッパー、カレーパウダー、タイム
○活用例
・ 味噌汁 + 七味
・ かぼちゃ + シナモン、カレー粉
・ チャーハン + 胡椒
○ 保存方法
・ スパイスの原産地によって異なる。
・ 熱帯原産の場合は冷蔵庫に入れない方が良い。
・ 湿気、熱気、光は避ける。
・ 料理の途中、熱い鍋の上から振りたい時も、スパイスは一旦、皿などに移してから使う。
・ 使用後のスパイスビンの蓋や袋の口はきっちり閉じる。
○ ミックス効果
スパイスは1種類だけではなく、複数を同時に使う。
シナジー効果、マスキング効果、ベリーマッチ効果
○ カレーはスパイス&ハーブの芸術品
最後に、12種類のスパイスを各自ブレンドして、お土産に持ち帰りました。
目安になるブレンド量を、好みで特徴を持たせ、周りのご参加者と香りを比べ合いました。
○ ブレンド例
・ インド風 コリアンダー、クミン
・ 旨み重視 ガーリック
・ ビーフカレー向き クローブ
・ 昔懐かしい黄色いカレー ターメリック
○ブレンドしたスパイスは、この後工場では焙煎して、約1ヵ月寝かす、という工程がある。
・ 家庭でも焦がさないように4分ほど煎ると良い。
・ 焙煎後、休ませると熟成し、まろやかな香りのカレースパイスが出来上がる。
・ すぐ使いたい時にも、焙煎は必ず行う方が良い。バランスがとれて香りが格段に良くなる。
フードアナリストは、実際に飲食店に出かけ、食・食空間を評価します。
日ごろ店頭に並んでいるスパイスの香りを嗅ぎ比べるということは難しいので、
今回のように具体的に素材を一覧、比較、実験すると、フードアナリストならではの
コメントを出す時のために役立ちます。
和気藹々としながらも真剣に香りと向き合うスパイス&ハーブとの出会いができました。
スパイスをミックスして振り入れ、オリジナルの味と香りを色々作ってみたくなりました。
日本で初めて純国産のカレー粉の製造に成功し、1923年(大正12年)、浅草に、
エスビー食品の前身、『日賀志屋』を創業したカレーの老舗S&B食品、新田慈氏の
解りやすい解説と試食試飲で、今日すぐにも役立つすばらしい講座でした。(ま)
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